表紙へ

●禁無断転載・転用
●リンクフリー
●all copy rights reserved

 


 

服装のことで彼女とケンカしてしまいました。

相談者Tさん(彼女Aさん)

  わたしがお気に入りのジャケットを着てAさんとデートに行こうとしたところ、ワタシがAさんに「このジャケットどう?」とたずねました。すると彼女は「いや、それはちょっと・・・。他のはないの?」といわれ、わたしはキレてしまいました。それで、「今日はデート行かない!」とわたし。すると、Aさんは急に泣き出して「聞かれたから答えたのに!いつも自分の思うとおりの答えが返ってこないとそうやってスネるのね!」と逆ギレ。

  わたしは洋服についていわゆる「女子」記号の格好をしないので、自分では気に入っているものの、実は自信がないのです。母親とも小さい頃から「これ着ろ」「いや着ない」で死闘を繰り返し、精神的な断絶もありました。
この女性記号にあてはまらない自分との葛藤を含めて、Aさんには理解してもらえていると思っていたのに、なんだか否定されたようで悲しかったです。

 ちなみに結局二人とも泣きながら話して結局デートには行きませんでした。 こういう時、すんなりデートに行くにはどうすればよかったのでしょうか?

 

 
 

怒っている相手は別の人かも…

 Tさんは自分でも分かっているようですが、女子記号の格好をしない自分の服装にちょっと自信がないようですね。その自信のなさが、Aさんの否定的なコメントで刺激されて、キレてしまったのでしょう。でも、Tさんが本当に怒っている相手は、Aさんではなく、別の人のなのではないでしょうか。

 子供の頃からお母さんと着るもののことでやり合ってきたTさんには、お母さんに自分の好きなものを理解されなかった、受け入れてもらえなかったという、心の傷のようなものが残っているように思えます。これはTさんだけに特別なことではなくて、マイノリティとして育ってくる過程で私たち誰もが負う傷です。その痛みが、Aさんのような親しい人とのやりとりの中で、フトよみがえることがあるのです。

 「Aさんには理解してもらえていると思っていたのに、なんだか否定されたようで悲しかったです」という言葉の中に、お母さんからもらえなかった理解を、Aさんに期待する気持ちが伝わってきます。当然ですよね。でも、お母さんからもらえなかったものを、Aさんに期待すると関係はおかしくなっていきます。Aさんにお母さんの代わりは出来ないのです。Aさんには、彼女にしかできないTさんへの愛し方や理解があります。それをきちんと個別のものとして受け止めて、彼女の意見を尊重してください。

 「女子記号の格好をしない自分の服装に自信」を持つためには、どうしたら良いのでしょう。考えてみてください。仮に、AさんがTさんの服装を褒めてくれても、本当の自信にはなかなか繋がらないのではないでしょうか。これは服装だけのことではなく、女の子らしい記号で生きないTさんの、自分自身をまるごと肯定していく課題でもあるので、時間がかかるかもしれませんね。ゆっくり行きましょう。

 それから、次にAさんのコメントでキレそうになった時、ちょっと一息おいて、自分は本当にAさんに怒っているのか、別の人に怒っているのか、見きわめる努力をしてみてください。そうすれば、次はスムーズにデートに出かけられるのじゃないかな。

 

   

■相談No.4 (2007.010.5up)
 「表現者としての指標を模索中

■相談No.3 (2007.04.22up)
 「クローゼットな彼女、別れるべき?

■相談No.2 (2007.03.22up)
 「関係を壊さず親へカムアウトしたいのですが

■相談No.1 (2007.02.20up)
 「服装のことで彼女とケンカしてしまいました」




 セクシュアリティを自覚してからわきでるさまざまな問題に目を向けて、問題を解きほぐすお手伝いをする場です。
 同性パートナーと25年間付き合っている相談員が・・・

続きを見る

【相談員】
土井ゆみ

ライター。70年代に日本のウーマンリブ運動に関わり、82年よりサンフランシスコに在住。

続きを読む

ご相談を受け付けています。
日頃のセクシュアル・マイノリティにおこる問題を投稿してみませんか?
あなただけの問題だと思っていたことが、多くの人が共有する問題かもしれません。
こちらから送信できます。


受付


月の初めの土曜日はぱ・ぱ・ぱ・ぱ・パフナイト〜♪(パフナイトオリジナルソング)(C)2006