怒っている相手は別の人かも…
Tさんは自分でも分かっているようですが、女子記号の格好をしない自分の服装にちょっと自信がないようですね。その自信のなさが、Aさんの否定的なコメントで刺激されて、キレてしまったのでしょう。でも、Tさんが本当に怒っている相手は、Aさんではなく、別の人のなのではないでしょうか。
子供の頃からお母さんと着るもののことでやり合ってきたTさんには、お母さんに自分の好きなものを理解されなかった、受け入れてもらえなかったという、心の傷のようなものが残っているように思えます。これはTさんだけに特別なことではなくて、マイノリティとして育ってくる過程で私たち誰もが負う傷です。その痛みが、Aさんのような親しい人とのやりとりの中で、フトよみがえることがあるのです。
「Aさんには理解してもらえていると思っていたのに、なんだか否定されたようで悲しかったです」という言葉の中に、お母さんからもらえなかった理解を、Aさんに期待する気持ちが伝わってきます。当然ですよね。でも、お母さんからもらえなかったものを、Aさんに期待すると関係はおかしくなっていきます。Aさんにお母さんの代わりは出来ないのです。Aさんには、彼女にしかできないTさんへの愛し方や理解があります。それをきちんと個別のものとして受け止めて、彼女の意見を尊重してください。
「女子記号の格好をしない自分の服装に自信」を持つためには、どうしたら良いのでしょう。考えてみてください。仮に、AさんがTさんの服装を褒めてくれても、本当の自信にはなかなか繋がらないのではないでしょうか。これは服装だけのことではなく、女の子らしい記号で生きないTさんの、自分自身をまるごと肯定していく課題でもあるので、時間がかかるかもしれませんね。ゆっくり行きましょう。
それから、次にAさんのコメントでキレそうになった時、ちょっと一息おいて、自分は本当にAさんに怒っているのか、別の人に怒っているのか、見きわめる努力をしてみてください。そうすれば、次はスムーズにデートに出かけられるのじゃないかな。
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